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2023年8月4日 16:52 R
【南多摩の家】水まわり


「南多摩の家」の浴室は「家族全員でバスタイムを楽しみたい」というお施主様のご希望があり、基本設計段階の初期ではテラスに面したまるでプールのようなものからはじまりました。長い設計期間の間に、場所を変え、形を変え、、最終的にこのような形に着地しました。市街地に立つ住宅なので、近隣の気配から離れた敷地奥の方に位置しています。オーソドックスな配置になりましたが、窓開口も最低限に抑え落ち着き感のある空間になっています。とはいえ当初の目的通り、お子様たち家族全員で楽しく過ごせるようにひと工夫、バスタブと連続したフラットなベンチ状のスペースを設けました。この場所はきょうだい一緒のバスタイムではお子様が遊んだり、座って休んだり、お風呂の時間に飽きないようにと考えました。ほかにもディスプレイしたりちょっとした物置きにも使え、用途はさまざまです。もう一つの目的として、大きな浴室で空間の中に高低差をつけることでした。洗面室と繋がる空間の中に立体感が生まれ、メリハリを持たせることで単調な場所にならないようにと考えています。

くつろぎと機能性を備える水回りの設計はとても難しいですが、ひとそれぞれに過ごし方があり、物語がある場所です。お施主様とお話を重ねた先に快適で美しい空間ができあがった時はとても楽しいですし、ご満足いただけると信じています。